6回目の生物の大量絶滅と多剤耐性菌 その3

我々も反省しなければならない問題として、多剤耐性菌発現の理由の一つとして、治療における抗生物質の乱用ということもあります。

ですが、これらの問題は、以前より指摘されていることで、最近、急に問題化してきたことではありません。逆に、これらについては、以前より、適正化が進んできているといても良いと思います。

 だのに、何故、最近になって耐性菌が増えてきているのか???

 その答えは、研究が進めば、色々な原因が指摘されてくるようになるかも知れませんが、まだ、個人的には、納得できる答えを聞いたことがありません。

杉の花粉の空気中の濃度は、東京より群馬県の方が明らかに高いのに、花粉症の患者は東京の方が多い。このパラドックスの答えは、環境汚染ではないかと言われています。

都市部と地方における多剤耐性菌の発現頻度の差。抗生剤の種類による多剤耐性菌出現頻度の差。等々、これらの問題については、今後の研究に期待したいと思いますが、個人的意見としては、これも、人間が触れてはいけないパンドラの箱に、手を掛けてしまった結果のように思えてなりません。

だからと言って、現在文明を退行させろと言うわけではありません。化石燃料原子力に依存する現在の文明が、それを乗り越え、液体水素、太陽エネルギー、地熱、風力、火力等、より自然環境に影響が少ないエネルギー資源に移行して、パンドラの箱に掛けた手を離せることを期待したいと思います。